大阪地裁R2.7.9
適応障害で休職していた従業員が復職後から異常行動があり、指定医の受診も拒んだため、会社は再休職を命じた。その9か月後に休職期間満了により退職扱いとした。
→再休職を命じられた時期に、①周囲が静かであるのに音が気になって業務に集中できないと訴える、②復職後の業務内容を把握できるものを提出するように指示すると、意味不明のメモを提出する、③他の社員の会話内容やトイレに誰がいたかをノートに記録するなどの問題があったことが認められる。
一方で、会社も、この従業員については入社当初から同様の問題があり、傷病なのか、パーソナリティーに由来するものなのか判断しかねたと主張している。
産業医もいったんは精神疾患を疑ったが、その後病気ではないと判断していること、再休職を命じられた時期に欠勤が続いていたわけではないこと等を踏まえると、再休職命令時、この従業員が私傷病により長期欠勤が見込まれる状態であったとは言えない。
よって、再休職命令は要件を満たさず無効であり、休職期間満了後の退職扱いも無効。従業員としての地位が継続していると認め、バックペイ約900万円の支払命令。