労働判例・裁判例紹介 弁護士西川暢春

弁護士西川暢春がやっている労働判例postの補足ブログです。Xでは140文字以上は予約投稿できないため、長いものはこのブログで書いております。

2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧

退職勧奨対象者に転職支援休暇制度を案内して行った退職合意の効力について判断した事例

大阪地裁R4.9.9 大手商社が転職希望者向けに最長6か月の転職支援休暇制度を設け、休暇中固定給を支給・満了時に退職・失業給付は自己都合扱いと定めた。問題社員にこれを案内し、制度利用を希望したため、利用に必要と説明して退職合意書に署名させた (裁判…

他の従業員も宛先に入れた叱責メールの中で「言動に目に余るものを感じております」と書いたことがパワハラにあたるとされた事例

ランキング参加中労働問題・人事労務管理 東京地裁R5.1.30上司が部下Aに対し会議での打ち合わせとは異なる業務の進め方になっていると叱責するメールの中で「Aさんの言動にも目に余るものを感じております」等と記載して、他の従業員3名もCCや宛先に入れて送…

うつ病での服薬治療等のみを理由とする退職勧奨が違法とされた事案

京都地裁R5.3.9 運送会社が運転手から精神障害3級の記載のある扶養控除等申告書の提出を受けたことをきっかけにうつ病での服薬治療を知り退職勧奨→運転手の勤務状況等に特段問題はなく、精神障害等級3級との認定を受け、通院して服薬治療を受けていることの…

懲戒解雇の通知後に行った予備的普通解雇が無効とされた事案

東京地裁R3.6.25 職務怠慢やハラスメントを理由に従業員を懲戒解雇。その後、会社は弁護士に相談し、この従業員には懲戒歴がないため懲戒解雇は難しいことは承知しているが会社全体に与える影響から懲戒解雇に踏み切ったと弁護士に説明。これを受け、弁護士…