労働判例・裁判例紹介 弁護士西川暢春

弁護士西川暢春がやっている労働判例postの補足ブログです。Xでは140文字以上は予約投稿できないため、長いものはこのブログで書いております。

配転命令を受けた従業員からの職種限定合意の主張が認められなかった事例

大阪地裁R5.3.31
製造業で30年以上システム課で勤務していた従業員を工場検査課に配転。従業員は職種限定合意があり、配転は無効と主張
→「システム課の職員募集(コンピュータ要員)」との求人広告に応募して採用されたとしても、これは最初の配属部署を記載したもので就業規則の配転条項の適用を排除する合意をしたとは推認できない。会社でシステム課から他部署に配置転換した例もある。従業員は入社後にシステム関連の資格を複数取得しているが、保有する資格や特殊な技能・経験等に着目して採用されたわけではないこと等の事情に照らせば、長期間システム課で業務を担当してきたとの事実のみをもって、職種限定合意があったとは認められない