労働判例・裁判例紹介 弁護士西川暢春

弁護士西川暢春がやっている労働判例postの補足ブログです。Xでは140文字以上は予約投稿できないため、長いものはこのブログで書いております。

産休からの復帰に際し、週5勤務から週1勤務に変更することを提案したことが適法とされた事案

宮崎地裁R5.7.12
病院が、産休から復帰する女医に勤務日を週5から週1に減らすことを提案。女医はこれを出産後の女性を差別するものである等として損害賠償請求
→女医は産休前から精神障害の影響で睡眠が十分に取れず、勤務開始時刻等に配慮が必要であった。病院の提案は、産休明けは育児の負担が重なる上、妊娠後の離婚により母方に居住することになり遠距離通勤も必要になったことを踏まえ、更なる配慮が必要であると考えてされたもので、育児をしながらの遠距離通勤での勤務に慣れていけば勤務日を増やす余地のあるものであったことが認められる。妊娠及び出産を理由に女医を不利益に扱う意図があったとは認め難く、違法とはいえない。