労働判例・裁判例紹介 弁護士西川暢春

弁護士西川暢春がやっている労働判例postの補足ブログです。Xでは140文字以上は予約投稿できないため、長いものはこのブログで書いております。

タクシー会社で一定時間を超える駐停車時間は休憩時間と扱う旨を就業規則で定めることができるか?

福岡地裁H25.9.19
就業規則でタクシー運転手の駐停車が5分を超える場合は休憩時間として扱う旨を定めることはできる?
→タクシー運転手の休憩時間は、場所、時間帯や気候等の諸状況により乗客獲得見込みが異なるため、一定程度運転手の判断に委ねざるを得ず、使用者の指導を超えた駐停車時間を休憩時間と評価する就業規則等を定めることも一定の合理性がある。ただし、その内容が合理的で、それを職場の見える場所に掲示して周知する他、タクシー運転手に対し個別に指導をする等、一般的な注意に止まらず実質的に周知されていると認められることが必要。
→本件事案において、駐停車時間が5分を超えた場合に直ちに休憩時間とすることは、タクシー待機所等での客待ちによる営業を禁止することになり、指導の内容が実態に合わず合理性は認めがたいとして、休憩時間とは評価できないと判断